ここが本来の本堂である観音堂です。「本堂」の東側に並んで建っています。 本尊十一面観世音菩薩がいてはります。 かつては、うしろに見える山の中腹にありました。 山を下ってからは、いまの場所よりもっと手前に、街道に面して建っていました。そのころお遍路さんたちは、この観音さんに遍路の旅の無事を祈って、1番札所に向かったと伝えます。 左に見える石のテーブルとベンチは、参拝者さんたちの憩いの場です。 |
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こちらが本尊の十一面観世音菩薩さんです。 制作年代等は不明です。 室町時代、この地に住んだ船戸次正という武将が、奈良の長谷寺の観音菩薩を信仰し、ここに勧請したものとされています。 奈良の長谷寺の本尊と同木であるといわれています。 十一面観音といえば、井上靖の『星と祭』を想起しますね。湖北の十一面観音を訪ねる話。 ぼくは高校時代、新聞に掲載されたこの本の広告に描かれた十一面観音の絵にひかれて、とても高かったハードカバーの本を買いました。つい最近まですっかり忘れていましたが、この頃、仏師になりたいなんてことを口走ったことがあるようです。 ぼくは寺で育った人間ではありませんし、とくに仏教の信仰を持っていたわけではありませんが、十一面観音さんにだけはご縁があったようです。 |
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この観音堂の中にはなぜか 仁王さんがいてはります。 下の写真は、東隣にある金毘羅神社の鳥居ですが、鳥居の向こうに仁王門が見えまっしゃろー。 仁王さんたちはもともとここにお住まいでしたが、神仏分離で仁王門の土地が神社の所有になって以来、観音堂に仮り住まいしておいでです。 そういうわけで金毘羅神社は、空の仁王門を持つ、珍しい神社です。 |
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