毘沙門堂

観音堂のうしろに、東に向いて毘沙門堂が建っています。
節分には、護摩を焚いて祈祷をします。
こちらが長谷寺の毘沙門さんです。
さすがに強そうで恐そうな雰囲気を漂わせています。
毘沙門さんは、四天王では多聞天で、また七福神のひとつにも数えられている、おなじみの神さまですね。
武神ということで、勝負の神さまとして、
合格祈願にお参りに来られる方が多いです。
競輪の選手さんなんかも、ときどきみえます。

1999年はけっこう雪の多い年でしたが、なぜか鳴門には少しも降りませんでした。
2月3日の節分になって、ようやく初雪が降りました。あすから春という節分の朝になってようやくです。
あまり雪が積もっているようには見えませんが、鳴門では降ってもせいぜいこんなものです。

ところで節分は年に4回あるのをご存知ですか。節分は文字通り「季節の分かれ目」のことで、立春の前日が節分で、同じように、立夏・立秋・立冬の前日も節分なんです。
節分は四季の最後の日をいうわけですね。
立春の前の節分は四季=1年の最後の日でもあります。いわば大晦日ですね。新しい春がいい年であることを願い、邪鬼を除くため「豆まき」をします。これは「除夜の鐘」と同じような意味でしょう。
この日は毘沙門堂で護摩を焚いて祈祷をします。
訪れる春の息災を祈るわけですね。
みんなで、「般若心経」と毘沙門さんの真言「オンベイシラマンダヤソワカ」を唱えます。護摩を焚いているのが住職小塩祐光です。
祈祷されたお札はみなさんが持ち帰ります。

さて、四季の最後の18日間が「土用」です。
これは夏だけという印象がありますが、「土用」も4回あります。

世界を「木火土金水」で説明するのが「五行説」です。この五つでは四季に当てはめにくいので、「木火金水」にそれぞれ「春夏秋冬」、
「土」にはそれぞれの季節の5分の1を供出しました。
1年は360日。四季はその4分の1の90日。90日の5分の1の18日を供出したので、「土用」はひとつの季節に18日間。これが4回あっ72日。四季はそれぞれ90日から18日を引いた72日。これで「木火土金水」それぞれ72日ずつでめでたしめでたしというわけです。
護摩の祈祷が終わったら、境内で古いお札を燃やします。鳴門では「燃やす」ことを「はやす」といいます。
1999年は節分当日は風が強かったので、翌日燃やしました。
五月人形や雛人形、仏壇なんかも集まります。まわりではやはり「般若心経」が唱えられています。
ビニールなんかは燃やさないように前もって取り除いておくのがけっこう大変です。
全部終わったら、みんなでうどんを食べます。節分はいわばもうひとつの大晦日ですから、これは年越しうどんですね。


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